HD55/HD55Sの詳細情報


MD内蔵という不思議なナビ、HD55。
AVヘッドユニットIVA-D310を補完するAVNサーバーという意味合いが強い
それだけに、D310以外との組み合わせではさまざまな制限が出るのも事実。
更に、D300/D310との組み合わせでも、意外な制約がある。
にもかかわらず、アルパインのサイトやカタログには そうした情報が明記されていないのが実情である。
HD55の各機能の制約や、組み合わせによる動作の違い等をまとめてみた。
特に記載の無い限り、HD55Sでも同様である。

よくある質問も参照してください。



接続方法

 ショップ店員どころかアルパインの人さえ理解していない場合が多い(泣)
 乱暴な言い方をすれば、接続上は
 HD55はHDDナビゲーションとスレーブオーディオユニットを一体化しただけと考えればいい。

 つまり、RGBケーブルはN555と同じくモニターに接続すれば済むし、
 Ai-NETケーブルとCOAXケーブルはHDA-5460MS/5465MSと同様にヘッドユニットに接続する。
 音声も同様で、ナビ音声はRGBケーブル経由でモニターのスピーカーから出力されるし、
 HDDオーディオやMDの音はAi-NET経由でヘッドユニットに接続されたスピーカーから鳴る。

 問題となるのはHDDオーディオやMDの操作方法。
 アルパインの場合、CDチェンジャーはヘッドユニットからフルコントロールできるが、
 HDA-5460MS/5465MSなどのインダッシュスレーブユニットは
 ヘッドユニットからの操作は限定されており、操作は主にスレーブユニット自体のフロントパネルで行う。
 HD55も同様に考えればいい。
 ヘッドユニットからはソース選択のみが行えるのだが、
 HD55のフロントパネルには操作ボタンや表示部が無い。
 そこでRGB接続されたタッチパネルモニターを操作部 兼 表示部として使用する。

 モニターとヘッドユニットを一体化したIVA-D300J/D310J/D310EUは、むしろ特殊例と考えた方がいい。
 ナビ音声はRGBケーブルを経由するが、モニター部にスピーカーを内蔵していないので、
 ヘッドユニット自身やHDDオーディオの音と同様、ヘッドユニットに接続されたスピーカーから出力される。
 またHDDオーディオやMDの操作画面も、ヘッドユニット自身が出力しているのではなく
 HD55から出力された操作画面を表示しているに過ぎない。



HDDナビ部
 ・ タッチパネル操作専用
  故にIVA-D300J/D310J/D310EU、TME-M770/M770S、TVE-T860のいずれかとの組み合わせが必須
 ・ 地図データの更新は、フロントパネルを取り外しHDDを抜き取って行う
   HDDは原則としてユーザーではなく特約店が外す
   更新作業はアルパインに送って行う。
 ・ ETCユニットの接続が可能
 ・ 携帯電話ハンズフリーキットの発売は未定だが、ハード的には対応している模様


HDDオーディオ部、MD部
 ・ INA-D300JN(NVA-HD01)と異なり、ナビとHDDオーディオの同時使用可能
 ・ HDDへの録音は、ヘッドユニットの音楽CDからのみ可能
   WMA/MP3を記録したCD-R/RW、MDやメモリースティックからの録音はできない
 ・ 操作は基本的にタッチパネルから行う
   D310/D300以外のヘッドユニットでは、別途M770/M770S/T860が必要となる
 ・ その他、組み合わせるヘッドユニット別に異なる点は以下の通り
   
ヘッドユニット
IVA-D310J/D310EU
IVA-D305J/D310EU
IVA-D300J 左記以外
(録音対応機)
ソース選択方法 HDD AUDIO MM DRIVER
→ V.SEL
→ NAV.
→ HDD AUDIO
MM DRIVER
→ HDD AUDIO
CD録音速度 等速 / 2倍速 等速 等速
CD録音起動 画面内[REC]スイッチ
HD55(S)本体[REC]ボタン
HD55(S)本体[REC]ボタン HD55(S)本体[REC]ボタン
   ※ ソース選択方法はHDDオーディオの場合。MDの場合はHDD AUDIOの部分がMDとなる
  D300では、HD55のオーディオ部もナビの一部として認識される為、選択には手数を要す。

□ 録音機能非対応のヘッドユニットとの組み合わせ

 メーカー非推奨となるが、MDは使用できる可能性が高い。
 DVA-7899Jではソース表示『EXTERNAL』でMDを使用可能だが、SOURCEボタンでは選択できない為、
 MDを挿入する(既に入っている場合は一度エジェクトして入れ直す)事で再生を開始する。
 IVA-D900J/D901Jではソース『MM DRIVE』からMDを選択可能。

 これに対し、HDDオーディオは録音済みであっても使用できない。
 例えばIVA-D900J/D901Jは録音機能非対応にもかかわらず
 HDA-5460MS/5465MSのHDDオーディオが使用できたが、
 これはHDDを取り外してパソコンで録音できたから可能であった。
 HDDを自由に取り外せないHD55では、録音元は必ず録音機能対応のヘッドユニットとなり、
 録音機能非対応ヘッドユニットでのHDDオーディオ使用は ありえない、という前提で設計されている様である。


メモリースティック部
 ・ ナビ用途では、最大400登録地点×100ファイルを記憶
  N555のような都道府県単位の地図更新は行われない模様
 ・ オーディオ用途では、CDDBデータの供給のみに使用可能
   WMA/MP3などを記録したMSからの再生はできない
 ・ N099系/N555系のようなセキュリティー機能は無い



NVA-HD55/HD55Sのイルミ色

 基本的にはブルーIVA-D310EU/D305EUとAi-NET接続した場合のみレッドとなる
 D310EU/D305EUはイルミ色をレッド/アンバーに切替可能だが、これには連動せず常にレッドとなる。

 INA-HD55EUにセットされるNVA-HD55は専用品ではない。
 単品売りでもINA-HD55のセット品でもD310EU/D305EUと接続すればレッドに切り替わる。
 逆にINA-HD55EUにセット品でもIVA-D310EU/D305EU以外との組み合わせではブルーとなる。

 先日、オークションで
  「INA-HD55EUのナビ部分です。単品発売されていないレッドイルミで貴重です」
 という出品を目にしたが、出品者が理解していないか、本当にレッド固定なら改造品?