オークションでよく見る勘違い
出品者も悪気はないでしょう。でも説明文を鵜呑みにすると めんどくさい事に……。


ワイド縦画面はRGB接続時のみ(S055/S055GS、N055VS/N055VT)
 メニューから選択すればRCA(コンポジット=通常のビデオ入出力)でもワイド縦画面対応です。


S055/S055GSはD-GPS対応
 055シリーズでD-GPSに対応するのはN055VS/N055VTのみです。
 また、HCE-T011と組み合わせた場合のみです(T001ではD-GPS不可)。


Ver.4.00以降で操作音が変わります(N055V/N055Z/N055α、S055/S055GS、N055VS/N055VT)
 地図色は変わりますが音は……。
 おそらくN055V/N055Z/N055αとS055/S055GS/N055VS/N055VTの音の違い、
 あるいは077シリーズとの音の違いをバージョンアップによる物だと勘違いしているのではないか思います。
 N055V/N055Z/N055αなんて、10キーによる行の選択さえ旧仕様のままなくらいで、
 内部メモリに音を変えられるほどの余裕は無いと思います。


N077V/N077Z、N077ZR/N077ZS、N099シリーズの違い
 「N077V/N077Zですが、V102/V103でバージョンアップしたのでN077ZR/N077ZSと同じです」
 「N077ZR/N077ZSは077シリーズですが、中身は099シリーズとほとんど同じです」
 こうした文を見かけますが、ハード仕様が以下のように異なります。
   
. N077V/N077Z N077ZR/N077ZS N099シリーズ
CPU 32bit 32bit 64bit
DVDドライブ 等速 3倍速 4倍速
描画更新頻度
(通常地図表示)
1秒間に1回 1秒間に2回 1秒間に2回
2画面時の
俯瞰地図表示
左画面のみ 左画面のみ 左右どちらでも可
 ※俯瞰 : 斜め上からの見下ろし
 特にN099シリーズは64bit化により処理能力が格段に向上しており、探索時間などが体感できるレベルで違います。
 描画能力も強化されており、N099シリーズは透過処理が行えますし、
 ビルディングスコープ時に地面の文字が つぶれたりしません。
 N077V/N077Z/N077ZR/N077ZSでは、同じ場所を200mで表示すると
 フロントワイドでは表示されていた細路地がシティーロケーションマップでは省略されます。
 ※ DVDドライブの速度は、N099の4倍速はカタログ記載。N077ZRは「従来機の約3倍」とアルパインが発表。N077V/N077Zが何倍速かは確認取れず。
   したがって、N077V/N077Zが約1.3倍速、N077ZR/N077ZSが4倍速の可能性あり。(N077ZR/N077ZSとN099シリーズは同型ドライブという記述は多い)
   しかしながら、仮に同じドライブだったとしても、処理速度の違いによりN077ZR/N077ZSとN099シリーズは体感できる明らかな違いが ある。


N077/N077Sは地図ディスクが1層DVDですので、N077V/N077Z/N077ZR/N077ZSに入れ替えると情報量が2倍になります
 1枚あたりの容量が異なるだけで、(1層か2層かに起因する)情報量の違いは ありません。
 N077/N077S用ディスクは情報量の増加に対応する為、西日本版と東日本版の2枚組みとなっています。
 西日本版のディスクにも東日本の道路データは収録されており、ルート案内も可能です。
 (市街地図や詳細検索データは各版のみに収録)


TVE-T760とTME-M760は同じ物です
 T760はTVチューナー内蔵。ビデオ入力2系統、内1系統は映像のみでバックモニター用に割り切った設計。
 M760はTVチューナー無し。ビデオ入力3系統、ビデオ出力1系統。入力3はバックモニター用としても使用可能。
 なお、NVE-N099S(SS)はM760とは接続不可(T760とは接続可能)。


モニターのサイズ
 型番の数字は小数点以下は切り上げとなります。
 TVE-T006/T006S : ○5.6型、×6型
 TVE-T007/T007S : ○6.5型、×7型
 TVE-T760、TME-M750/M760/M770 : ○6.5型、×7型
 TME-M750なんて、取扱説明書にも7型って書いてあるし(笑)


RCA端子のナビ入力があるので、他社ナビもつなげる (TV、モニター)
 ナビ用RCA入力には「ナビ専用」と「ナビ/AUX兼用」があり、
 ナビ専用の場合、『ディスプレイ・コントロール』線をつないでおかないと、ナビ入力からの映像は映りません
 他社ナビを接続する場合、ナビ入力端子を あきらめてビデオ入力に接続するか、
 どうしてもナビ入力を使いたいのであれば『ディスプレイ・コントロール』に偽造信号(笑)を流すしかありません。
 (一応、単に+12Vを入れればいいようですが……)
 なお、ナビ用RCA入力からの画像は、ワイドモニター(16:9)でもノーマル表示(4:3)となる場合があります。
 (RGB端子を持たないアルパイン製ナビは すべて4:3の画像しか出力できない為)


NVA-HD01(INA-D300JNのナビ部)について
 その構成からNVA-HD55と同等であるかのように扱われる事が多いのですが、実は大きく異なります。
 HD01はサンヨー製(つまりゴリラ)、HD55はアイシンAW製で、ナビ能力、データの質には差が あります。
 ナビとHDDオーディオの同時使用がHD01は不可能、HD55は可能です。
 また、NVA-HD01はHD55と異なり、スタンドアローンモードを持たないので、Ai-NETとの接続が必須です。
 従って、単なるタッチパネルモニターであるTVE-T860、TME-M770/M770Sとの接続だけでは使用できません。
 電源コードにACC線が ありませんので、モニターだけではナビの電源が入らないのです。
 (更にAi-Net対応のヘッドユニットと組み合わせれば動くかもしれません)


4本のアンテナの内1本をVICSに、3本をTVに使った場合、TVの受信感度が落ちる
 ブースター兼 4本→5本化 ユニットの説明文に書かれていますが、必ずしもそうではありません。
 ダイバーシティーは複数のアンテナが受信した電波を「混ぜる」のではなく、
 最も受信状態の良い1本を「選ぶ」物です。
 したがって、4本→3本によって電波が4分の3に減ってしまう訳ではないのです。
 (ナビの取付説明書にも「3本でも問題ありません」と書かれています)
 複数あるのは、移動する車では常にアンテナを放送局の方に向けておく事が難しいので
 (回転して常に電波源の方を向くアンテナや無指向性のアンテナというのもありますが……)、
 角度の異なるアンテナを用意して、その中から感度の良い物を選ぶ為です。
 実際に車に装着してみると、ほとんどの場合、4本のアンテナロッドの内、外側の2本は ほぼ平行になります。
 平行という事は指向性(どの方向からの電波を受け取りやすいか)が同じという事です。
 同じ指向性の物が2本あって、「混ぜる」のではなく「選ぶ」のですから、
 外側の1本のどちらかは在っても無くても ほとんど影響無いので、1本をVICS用にしても構わないのです。
 ただし、平行なアンテナを隣接させれば、直接の受信以外に他方が反射した電波を受信するので、
 本数で感度をアップさせるのは不可能ではないですが……。
 また、ブースターですが、必要な電波だけでなく不必要なノイズまで増幅してしまう可能性もあり、
 ブースター無しよりもマシになっても、期待した通りの美しい映像が必ずしも得られる訳では ありません。
 余談ですが、アンテナロッドの先端方向ではなく直角方向からの電波を受け取りますので、
 アンテナの本数を増やすより、垂直なアンテナを1本立てた方が効果的でしょう。
 (FM VICSはTVアンテナ流用ではなく別途FM専用アンテナを立てると劇的に受信状態が改善するという話も
  アンテナの特性の差ではなく、単にテストで使ったFMアンテナが垂直だったからと推測されます)